第13章|13-6 3つ以上の母分散の検定|Bartlett検定とLevene検定を使い分ける

3群以上の母分散が等しいかを調べる代表的方法がBartlett検定です。ただし非正規性に敏感なため、分布が怪しいときはLevene検定などのロバストな方法を使います。

「平均を比較する前に、ばらつきが同じという前提が妥当か」を確認するための検定として重要です。

1. 帰無仮説はすべての母分散が等しい

H₀: σ₁²=σ₂²=…=σk²、対立仮説は「少なくとも1組の分散が異なる」です。

2. Bartlett検定は群内分散を比較する

各群の標本分散とプールした分散を使い、対数を含む統計量Tを作ります。H₀のもとでTは近似的に自由度k−1のχ²分布へ従います。

3. Bartlett検定は正規性に敏感

NISTは、Bartlett検定が非正規性に敏感で、非正規データでは「分散差」ではなく「非正規性」を拾ってしまうことがあると注意しています。

4. Levene検定は非正規性に比較的強い

Levene検定は各観測値と群中心との差の絶対値を使って群間比較します。NISTはBartlettより非正規性への感度が低い代替法として紹介しています。

5. Brown-Forsythe型は中央値を使う

Levene統計量の中心に中央値を使うBrown-Forsythe型は、歪みや外れ値に対してロバストな選択肢です。NISTも中央値ベースを多くの非正規データに対する良い選択肢として説明しています。

6. p値だけで等分散を「証明」しない

p≥αは等分散を証明する意味ではなく、分散差を示す十分な証拠が得られなかったという判断です。箱ひげ図や標準偏差プロットも確認します。

7. ANOVAとの関係

古典的一元配置ANOVAは群間の等分散を前提とします。大きく違う場合はWelch ANOVAなど、等分散を仮定しない方法を検討します。

8. 現場では分散差そのものも品質情報

平均値が同じでも、設備Aだけ標準偏差が大きいなら工程安定性に差があります。分散検定を「ANOVAの前提チェック」だけで終わらせず、ばらつき改善へつなげます。

9. よくある質問(FAQ)

正規性が確認できるならどちらを使いますか?

NISTは、正規またはほぼ正規と確信できる場合はBartlett検定の方が検出力に優れると説明しています。

非正規ならBartlett検定は絶対使えませんか?

結果の解釈が危険になります。非正規性が疑われるならLevene検定などを優先する方が安全です。

10. 一次情報・参考資料

最終確認:2026年10月1日。

11. まとめ

3群以上の分散比較では、正規性が妥当ならBartlett検定、非正規性が疑われるならLevene検定を使い分けます。 検定結果だけでなく実際のばらつき差も工程改善へつなげます。

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執筆・最終確認:UG。公開情報をもとにQC検定1級相当まで踏み込んで解説しています。

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