適合度検定は、実際に観測した度数が「仮定した確率分布から期待される度数」とどの程度ずれているかを統計的に評価する方法です。
代表的なχ²適合度検定では、観測度数Oと期待度数Eの差を χ²=Σ(O−E)²/E でまとめます。
1. 帰無仮説は「指定した分布に従う」
たとえば「この欠点数データはポアソン分布に従う」「この測定値は正規分布に従う」といった分布仮説を立て、観測度数とのずれを調べます。
2. 期待度数は分布のCDFから求める
連続分布を階級[yᵢ,yᵢ₊₁)に分ける場合、NISTでは Eᵢ=N{F(yᵢ₊₁)−F(yᵢ)} と期待度数を計算します。
3. χ²統計量はずれを期待度数で標準化する
単純な差O−Eでは、期待度数が大きい階級ほど差も大きくなりやすいため、(O−E)²/Eで尺度を調整して合計します。値が大きいほど仮定分布からのずれが大きい方向です。
4. 自由度は階級数だけで決まらない
分布の母数をデータから推定した場合、その分だけ自由度が減ります。NISTでは非空階級数kと推定母数数を含むcを用いて、おおむねdf=k−cと整理しています。
5. 期待度数が小さすぎる階級に注意
χ²近似を使うには十分な期待度数が必要です。NIST Dataplotでは各期待度数5以上を代表的な目安とし、小さい場合は裾の階級を結合することを挙げています。
6. 階級の切り方で結果が変わる
χ²適合度検定はビン分けに敏感です。同じ生データでも階級数・境界によって検出力が変わるため、都合の良い区切り方を後から選ばないことが重要です。
7. 棄却できない=分布が証明された、ではない
p≥αは、仮定分布との違いを示す十分な証拠が得られなかったという意味です。サンプル数が少ないと大きな違いも見逃す可能性があります。
8. 確率プロットや別検定も併用する
連続データではQ-Qプロット、確率プロット、Anderson-Darling検定なども使います。NISTも、生データではχ²検定より他の適合度検定が強力な場合があると説明しています。
9. よくある質問(FAQ)
正規分布か確認するならχ²検定だけで十分ですか?
十分とは限りません。階級依存性があるため、確率プロットやAnderson-Darlingなどと合わせて判断する方が安全です。
p値が大きいほど分布に完全適合していますか?
その意味ではありません。標本数や検出力にも依存するため、グラフと実務上の妥当性を確認します。
10. 一次情報・参考資料
- NIST/SEMATECH|Chi-Square Goodness-of-Fit Test
- NIST/SEMATECH|Chi-square goodness-of-fit test
- 日本規格協会|QC検定 各級のレベルと内容
最終確認:2026年10月1日。
11. まとめ
χ²適合度検定は、観測度数と期待度数のずれを評価する方法です。 期待度数、階級設定、母数推定による自由度減少を確認し、「棄却できない=証明」と誤解しないことが重要です。
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執筆・最終確認:UG。公開情報をもとにQC検定1級相当まで踏み込んで解説しています。
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