軸の振れを測るときは、どの軸を基準に回転させるかを最初に決めます。 ダイヤルゲージを対象外周へ当て、ワークを1回転させたときの最大値と最小値の差から振れ量を確認します。
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1. 30秒でわかる軸振れ測定
- データム軸を正しく再現する
- Vブロックやセンタで安定支持する
- 測定子を測定方向へ正しく当てる
- 1回転中の最大値−最小値を読む
- 治具や主軸自身の振れも切り分ける
2. まずデータム軸を確認する
図面で振れ公差が指定されている場合、データム軸を基準に回転させる必要があります。単に「軸を回しやすい場所」で支持すると、図面とは異なる回転軸で測ることになります。
センタ穴、基準円筒面、軸受部など、どこが回転基準なのかを確認します。
3. Vブロックで支持する方法
円筒軸をVブロック2個で支持し、外周へダイヤルゲージを当てて回転させる方法は現場で使いやすい簡易測定です。
- Vブロックの高さ・角度をそろえる
- 支持面を清掃する
- 軸の基準円筒面を支持する
- ワークを押し付けすぎず滑らかに回転させる
Vブロック支持では真円度やローブ形状の影響も含まれるため、測定目的に合うか確認します。
4. センタ支持で測る方法
センタ穴が基準として使える軸では、両センタで支持すると回転軸を安定して再現しやすくなります。旋盤形状の軸やシャフトで有効です。
センタ穴の傷・汚れ、センタ自身の振れ、押付け力が結果へ影響するため、支持系も点検します。
5. ダイヤルゲージの当て方
スピンドル式ダイヤルゲージは、測定したい変位方向とスピンドルを平行に取り付けます。円筒外周の半径方向振れなら、測定子を外周へおおむね半径方向に当てます。
測定子が斜めだとコサイン誤差が入り、実際の振れより小さく表示する可能性があります。
6. 1回転させて振れ量を読む
- 測定子を適切にプリロードする
- 指針を読みやすい位置へ合わせる
- ワークをゆっくり1回転させる
- 最大指示値と最小指示値を記録する
- 指示振れ(TIR)=最大指示値−最小指示値で確認する
回転速度が速すぎると、ワークの跳ね・測定子の追従不足・振動の影響が出ます。
この最大−最小は、まずその測定セットアップで得た指示振れ(TIR)です。図面の円周振れとして判定するには、データム軸の再現、測定位置、測定方向などが図面要求と一致していることが前提です。
振れ量を求める前に、指針を正しく読もう。
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7. 測定位置を変える理由
軸の根元・中央・先端など複数位置で測ると、局所的な偏心だけでなく、曲がり・テーパ・支持基準との関係を確認しやすくなります。
1断面だけ振れが小さくても、全長で良好とは限りません。
8. 円周振れと全振れの違い
| 項目 | 円周振れ | 全振れ |
|---|---|---|
| 評価範囲 | 各断面・円周位置 | 対象表面全体 |
| 測定子 | 1断面では固定 | 回転させながら長手方向へ移動 |
| 用途 | 局所的な回転変動 | 全長を含む総合的な振れ |
9. 真円度・偏心との違い
振れは、真円度不良、偏心、軸の曲がり、データム軸のずれなど複数要因の影響を含みます。
したがって、振れNGを見て「真円度不良」と即断せず、形状・中心位置・支持基準を切り分けます。
10. 回転治具自身の振れを切り分ける
- チャックの振れ
- センタの振れ
- Vブロックの高さ差・摩耗
- 軸受のガタ
- スタンド・マグネットベースの緩み
- 定盤の汚れ・振動
基準器や治具だけを先に回して確認するなど、測定系自身の振れを把握しておくと原因を切り分けやすくなります。
11. てこ式ダイヤルゲージを使う場合
狭い場所や段差の近くではてこ式ダイヤルゲージが便利です。測定子を測定方向に対して原則90°に近く配置し、指定長さの測定子を使用します。
取付角度がずれると表示値に誤差が生じるため、アクセス性だけでなく姿勢を優先します。
12. よくある測定ミス
- 図面のデータム軸を確認しない
- Vブロック・センタを清掃しない
- 測定子を斜めに当てる
- 1断面だけ測る
- 回転治具自身の振れを無視する
- 強く押し付けてワークを変形させる
- 速く回しすぎる
13. 技能検定につながるポイント
- 振れ量=最大−最小を説明できる
- 円周振れと全振れの違いを説明できる
- 支持方法とデータム軸の関係を説明できる
- 真円度・偏心・曲がりの影響を区別できる
14. よくある質問
Vブロックで測った指示差はそのまま円周振れですか?
支持方法やデータム再現が図面要求に一致することが前提です。Vブロック自身の精度やワーク形状の影響も確認します。
軸の振れと真円度は同じですか?
違います。真円度は断面形状、振れはデータム軸に対する回転時の変動を評価します。
15. 参考資料・一次情報
- 日本規格協会|JIS B 0021:1998(2023-10-20再確認・現在有効)
- ISO 1101:2017|Geometrical tolerancing(2022年再確認・現行)
- ISO 5459:2024|Datums and datum systems
- 日本規格協会|JIS B 7503:2017 ダイヤルゲージ(現在有効)
- 日本規格協会|JIS B 7533:2015 てこ式ダイヤルゲージ(2025-10-20再確認・現在有効)
- ミツトヨ|ダイヤルゲージの正しい使い方
最終確認:2026年10月2日|著者:UG|最大指示値−最小指示値は測定セットアップ上のTIR。図面の円周振れ/全振れとして判定するには、データム軸・測定方向・測定位置を図面要求へ一致させる必要があることを再確認済みです。
16. まとめ・関連記事
- 軸振れ測定はデータム軸の再現から始まる
- 支持方法と測定子の姿勢が重要
- 最大値−最小値で振れ量を確認する
- 複数位置を測り、治具自身の振れも切り分ける
関連記事: 円周振れとは? / 全振れとは? / ダイヤルゲージ
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