第5章|5-5 ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージは、スピンドルの微小な直線変位を歯車機構などで拡大し、指針で表示する測定器です。 寸法差の比較、軸の振れ、平行度・平面度などの確認に広く使われます。

単体で絶対寸法を読むより、マスターや基準位置に対する差を読む比較測定で使われることが多い測定器です。正しい取付角度と基点合わせが測定精度を左右します。

目次 タップで開閉
  1. 1. 30秒でわかるダイヤルゲージ
  2. 2. ダイヤルゲージとは?
  3. 3. 構造と測定原理
  4. 4. 比較測定で使うのが基本
  5. 5. 測定前の作動確認
  6. 6. 正しい取付角度
  7. 7. 基点合わせの考え方
  8. 8. 振れ測定の基本
  9. 9. 平行度・平面度測定での使い方
  10. 10. てこ式ダイヤルゲージとの違い
  11. 11. よくある測定ミス
  12. 12. 技能検定につながるポイント
  13. 13. よくある質問・確認問題
  14. 14. 参考資料・一次情報
  15. 15. まとめ・関連記事

1. 30秒でわかるダイヤルゲージ

  • スピンドルの変位を指針で拡大表示する
  • 比較測定・振れ測定でよく使う
  • 測定前にスピンドルと指針の作動を確認する
  • スピンドルは測定方向と平行に取り付ける
  • 基点は測定範囲中央付近に設定すると余裕を取りやすい

2. ダイヤルゲージとは?

一般的なダイヤルゲージは、スタンドや治具へ取り付け、測定子を対象物へ接触させて使います。寸法変化の大きさや回転体の振れなどを、指針の動きとして読み取ります。

ミツトヨは、ダイヤルゲージを基準となるマスターとの差を求める比較測定に使う測定器として解説しています。

3. 構造と測定原理

代表的なスピンドル式では、スピンドルの上下動がラック・ピニオンなどの機構を通して拡大され、長針・短針の回転として表示されます。

部位役割
測定子測定対象へ接触する
スピンドル変位に応じて直線移動する
長針・短針変位量を目盛で表示する
目盛板測定値・偏差を読む
リミット針合否範囲を目視しやすくする機種もある

読んだら、目盛りを試してみよう。

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4. 比較測定で使うのが基本

比較測定では、まず基準寸法のマスターや基準位置で指針を合わせ、その後ワークを測って基準との差を読みます。

たとえば基準寸法に合わせた位置を0として、ワーク測定時に+0.03 mmを示したなら、基準より0.03 mm大きい方向へ変位したと判断します。指針の増減方向は取付方向と機種仕様を確認します。

5. 測定前の作動確認

  1. 長針・短針が滑らかに動くか確認する
  2. スピンドルを軽く動かし、引っ掛かりや戻り遅れがないか確認する
  3. 静止時に指針が安定するか確認する
  4. 測定子・裏ぶたなどに緩みがないか確認する
  5. スピンドル摺動部の汚れを確認する

ミツトヨは、スピンドルの動きが悪い場合は乾いた布または少量のアルコールを含ませた布で清掃し、スピンドルへ注油しないよう案内しています。

6. 正しい取付角度

スピンドル式ダイヤルゲージでは、スピンドルの移動方向を、測定したい変位方向と平行にすることが基本です。

角度が付くと、実際の変位とスピンドルが検出する変位が一致せず、コサイン誤差が生じます。スタンドへ取り付けた時点で、正面だけでなく横からも姿勢を確認します。

7. 基点合わせの考え方

基点は、想定されるワークの寸法ばらつきを含めても測定範囲から外れない位置に設定します。ミツトヨは、想定外の寸法が出ても測定範囲内へ収まりやすいよう、測定範囲の中央付近で基点を合わせる方法を案内しています。

ただし測定目的や治具構造によって適切な位置は変わるため、必要ストロークを見込んで設定します。

8. 振れ測定の基本

  1. ワークの基準軸・支持方法を決める
  2. ダイヤルゲージを測定方向に正しく取り付ける
  3. 測定子を対象面へ適切に当てる
  4. ワークを1回転させる
  5. 指針の最大値・最小値を読む
  6. 差を振れ量として確認する

回転治具や支持部自身に振れ・ガタがあると、その影響も測定値へ入ります。ワークだけでなく測定系全体を確認します。

9. 平行度・平面度測定での使い方

定盤とハイトゲージやスタンドを組み合わせ、対象面を走査すれば、高さ変化から平行度や平面度の傾向を確認できます。

ただし、ダイヤルゲージの指針変動そのものを幾何公差値と即断しないことが重要です。データムの再現、支持方法、走査方向、測定点数が図面要求と一致しているかを確認します。

10. てこ式ダイヤルゲージとの違い

比較スピンドル式てこ式
動き直線運動測定子の回転運動
ストローク比較的長い短い
得意一般的な比較測定・振れ測定狭い場所・側面・高感度な比較測定
取付角度スピンドルを測定方向と平行測定子を測定方向に対して原則90°

11. よくある測定ミス

  • スピンドルを測定方向へ平行にしていない
  • 測定子を強く押し込みすぎる
  • 基点を測定範囲の端に寄せすぎる
  • スタンド・マグネットベースの固定が甘い
  • 測定面のゴミ・バリを拾う
  • 回転治具のガタをワーク振れとして読む
  • スピンドル摺動部へ注油する

12. 技能検定につながるポイント

  • 比較測定の意味を説明できる
  • 基点合わせの目的を説明できる
  • スピンドルの正しい取付方向を理解する
  • 振れ測定で最大値・最小値を見る理由を説明する
  • てこ式との違いを説明できる

13. よくある質問・確認問題

ダイヤルゲージは絶対寸法を直接測れますか?

用途によって直接変位を読むことはできますが、機械検査では基準との差を見る比較測定で使うことが多い測定器です。

スピンドルを斜めにしても補正すれば使えますか?

原則として測定方向と平行に取り付けます。角度が付くとコサイン誤差が生じるため、最初から正しい姿勢で設置する方が確実です。

確認問題:比較測定で基点を測定範囲中央付近に置く利点は? → 想定外のプラス・マイナス変位が出ても測定範囲内へ収まりやすいためです。

14. 参考資料・一次情報

最終確認:2026年10月2日|著者:UG|JIS B 7503:2017は現在有効。スピンドルは測定方向と平行に取り付け、比較測定では想定変位を考慮して基点を設定すること、スピンドルへ注油しないことを現行メーカー資料で再確認済みです。

15. まとめ・関連記事

  • ダイヤルゲージは微小変位を指針で拡大表示する
  • 比較測定・振れ測定で広く使う
  • スピンドルは測定方向と平行に取り付ける
  • 作動確認・基点合わせ・スタンド固定が重要
  • てこ式とは構造・取付姿勢・得意用途が異なる

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