サインバーで未知角度を測るときは、ワーク上面が定盤に対して平行になるようブロックゲージ高さを調整し、sinθ=h/Lから角度を求めます。 Lはサインバーのローラ中心距離、hは片側ローラを持ち上げる高さです。
30秒でわかる|サインバーの角度測定
- サインバーは、片側の高さを変えて角度を測る・作る道具です。
- 未知の角度:θ=arcsin(h/L)で求めます。
- 作りたい角度:h=L×sinθで必要な高さを求めます。
- Lは2本のローラの中心距離、hは片側を持ち上げるブロックゲージ高さです。
- ダイヤルゲージで測定面が水平になったか確認し、清掃と安定した設置を徹底します。
例えばローラ中心距離100 mm、高さ25 mmなら角度は約14.48°です。ブロックゲージは決めた高さを作る長さの基準器で、角度を直接表示する計器ではありません。
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1. サインバーの仕組みと角度の求め方

- サインバーは2本のローラと平らな測定面を持つ角度測定用の基準器です。
- 片方のローラを定盤に置き、もう片方のローラをブロックゲージで持ち上げると、ローラ中心を結ぶ線が傾きます。
- 既知角度の設定では必要高さを先に計算します。未知角度の測定では、ワークの測定面を水平にしてから高さを読み取ります。
- 求まるのは配置した基準面に対する角度です。ワークの置き方や測りたい面を誤ると、正しい寸法でも違う角度になります。
2. 測定前に確認するもの
- サインバーの呼び寸法Lを確認する
- 定盤・ローラ・測定面を清掃する
- ブロックゲージを温度になじませる
- ワークを安定して固定できるか確認する
- ダイヤルゲージまたはてこ式ダイヤルゲージを準備する
3. sinθ=h/Lを使う

サインバーでは、ローラ中心距離Lを斜辺、ブロックゲージ高さhを対辺とする直角三角形として考えます。
未知の角度を測る:θ=arcsin(h/L)
指定角度にセットする:h=L×sinθ
Lはサインバー本体の全長ではなく、2本のローラ中心距離です。
4. 未知角度を測る基本手順

- サインバーのローラ中心距離Lと測定面・基準面を確認する。
- 定盤・ローラ・ブロックゲージ・ワークを清掃する。
- ワークを正しい向きに載せ、がたつきや変形が起きないよう安定させる。
- 片側ローラの中心位置の下にブロックゲージを置き、傾きや転倒がない状態にする。
- ダイヤルゲージで対象面の両端を比較する。
- ブロックゲージ高さを少しずつ調整し、対象面の指示差を小さくする。
- 最終的な高さhと測定条件を記録する。
- θ=arcsin(h/L)を度数法(DEG)で計算し、基準面と角度の向きを図面で確認する。
5. ブロックゲージ高さを合わせる

ブロックゲージ高さを調整するときは、必要寸法をできるだけ少ない個数で作ります。高さを微調整するたびに、リンギング(密着)状態・ゴミ・傾きを確認します。
ブロックゲージの合計高さがhになるので、各ブロックの呼び寸法を正しく合計します。
注意: ブロックゲージはローラの中心位置の直下に配置します。中心からずれるとサインバーが不安定になり、転倒や測定ミスにつながります。固定具を使うときも、締め付けによるサインバーのねじれに注意します。
6. ダイヤルゲージで平行を確認する

ワーク上面の一端でダイヤルゲージをゼロにし、反対端へ移動して指示差を確認します。差がゼロに近づけば、その面は定盤に対して平行に近づいています。
ただし面の平面度不良がある場合は測定位置で値が変わるため、複数ライン・複数点で確認します。
7. 100 mmサインバーの計算例
100 mmサインバーでh=25.000 mmだった場合、
sinθ=25/100=0.25
θ=arcsin(0.25)≒14.48°
角度表示の丸め桁は、図面要求と計算精度に合わせます。
8. 200 mmサインバーの計算例
200 mmサインバーで同じh=25.000 mmなら、
sinθ=25/200=0.125
θ=arcsin(0.125)≒7.18°
同じブロックゲージ高さでも、ローラ中心距離Lが変われば角度は変わります。
角度を先に決める場合も同じ式を使えます。 次の表はh=L×sinθで計算した理論高さです。使用するブロックゲージの組合せは、手持ちの寸法と必要精度に合わせて選びます。
| 設定角度 | L=100 mmの高さh | L=200 mmの高さh |
|---|---|---|
| 10° | 17.365 mm | 34.730 mm |
| 15° | 25.882 mm | 51.764 mm |
| 30° | 50.000 mm | 100.000 mm |
9. ブロックゲージ組合せの考え方
ブロックゲージは、少ない個数・厚いブロックを優先して組み合わせます。組合せ個数が増えるほど密着面も増え、リンギング不良・ゴミ・温度差の影響を受けやすくなります。
測定前に清掃、カエリ確認、温度なじみを行います。
10. 角度が大きいと誤差が増えやすい理由
角度誤差の感度は、θ=arcsin(h/L)の関係から説明できます。高さhに小さな誤差Δhがあるとき、角度の変化は近似的にΔθ≒Δh/(L cosθ)(rad)となるため、角度が大きくなってcosθが小さくなるほど、同じ高さ誤差でも角度誤差は大きくなります。さらに、急傾斜ではワーク固定やブロックゲージの安定性も悪化しやすくなります。
大きな角度や安全に固定できない条件では、別の角度測定方法を検討します。
11. 温度・定盤・ローラの影響
- 定盤の平面度
- ローラ中心距離Lの精度
- ブロックゲージ高さhの精度
- リンギング不良
- ワーク・サインバー・ブロックゲージの温度差
- ローラ・定盤間のゴミ
- ダイヤルゲージの取付姿勢
12. よくある計算・測定ミス

- Lにサインバー全長を使う
- sinではなくtanを使う
- 度とラジアンを混同する
- ブロックゲージ高さを足し間違える
- ワーク上面の平行確認を1点だけで済ませる
- 定盤・ローラ・ブロックゲージを清掃しない
- 大きな角度でワークを不安定に固定する
13. 技能検定につながるポイント
- sinθ=h/Lを使える
- Lがローラ中心距離であることを説明できる
- 未知角度測定の手順を説明できる
- ダイヤルゲージで平行を確認する理由を説明できる
- ブロックゲージ組合せの注意点を説明できる
14. よくある質問
サインバーの基本式は?
sinθ=h/Lです。Lはローラ中心距離、hはブロックゲージで作る高さです。
角度が大きいほど測りやすいですか?
一般に高角度になるほどセットアップや高さ誤差の影響が大きくなりやすいため、用途に合う測定方法を選びます。
100 mmサインバーを15°に設定する高さは?
h=L×sinθ=100×sin15°=25.8819… mmなので、理論高さは約25.882 mmです。実際には使えるブロックゲージの組合せと必要精度を確認します。
ダイヤルゲージの両端の指示が一致しない場合は?
対象の面が水平になっていない、平面度に問題がある、測定子の当て方が違うなどの可能性があります。清掃・固定・測定方向を確認してから高さを微調整し、複数点で再確認します。指示差だけで図面角度の合否を即断しないでください。
15. 参考資料・一次情報
- 日本規格協会|JIS B 7523:1977 サインバー
- ミツトヨ|ゲージブロックの基礎知識
- キーエンス|角度測定の測定機選定
- 大菱計器製作所|サインバー取扱説明書(PDF)
- ミツトヨ|ダイヤルゲージの正しい使い方
最終確認:2026年10月9日|JIS B 7523:1977は日本規格協会の掲載情報で有効(最終確認日2021年10月20日)。測定手順・ローラ下のブロックゲージ配置・固定時の注意・ダイヤルゲージの取付方向をメーカー資料で確認しています。表の高さは公式h=L×sinθから算出した理論例であり、実測値ではありません。
16. まとめ・関連記事
- 未知角度はθ=arcsin(h/L)で求める
- ブロックゲージで高さを作り、上面を平行に合わせる
- Lはローラ中心距離
- 定盤・温度・リンギング・固定条件が精度へ影響する
計算を試す: サインバーの角度や必要なブロックゲージ高さを数値で確認するなら、UG BASE 現場計算LAB(無料)を利用できます。Lにはサインバーのローラ中心距離を入力してください。
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