ノギスは、外側寸法・内側寸法・深さ・段差を1本で測れる、機械検査の基本となる汎用測定工具です。 便利な反面、測定姿勢・測定力・ジョウの当て方による影響を受けやすいため、「読める」だけでなく「正しく当てられる」ことが重要です。
30秒でわかる
ノギスは外側・内側・深さ・段差の4種類を測れる工具です。 読み方を覚えるだけでなく、清掃・ゼロ点・当て方の確認が正しい測定には欠かせません。
- 外側ジョウで外径・厚さ、内側ジョウで穴径・溝幅を測ります。
- デプスバーで深さ、段差測定面で高さの差を測ります。
- 0.05 mm読みのアナログ式では、本尺9 mm+バーニヤ3目盛=9.15 mmです。
- デジタル表示が0.01 mm単位でも、測定の正確さが0.01 mmだとは限りません。
初心者はまず目盛の読み方と測定面の選び方を確認し、厳しい公差では使用する測定器が適切かも判断しましょう。
目次 タップで開閉
1. 30秒でわかるノギス
- 外側:外径・幅・厚さ
- 内側:穴径・溝幅
- 深さ:穴・溝の深さ
- 段差:2面の高さ差
- アナログ式は本尺+バーニヤ目盛で読む
- 表示桁数・最小読取値と測定の正確さは別
2. ノギスの構造と4つの測定

一般的な標準ノギスは、本尺、スライダ、外側用ジョウ、内側用ジョウ、デプスバー、段差測定面などで構成されています。ミツトヨも、標準ノギスで外側・内側・深さ・段差の4種類を測定できると説明しています。
| 部位 | 主な用途 |
|---|---|
| 外側用ジョウ | 外径・厚さ・幅 |
| 内側用ジョウ | 内径・溝幅 |
| デプスバー | 深さ |
| 段差測定面 | 段差 |
| 本尺・バーニヤ | アナログ式の値の読取り |
3. アナログノギスの読み方

バーニヤ式では、①バーニヤ0線が越えた本尺の値、②本尺と一致したバーニヤ目盛の値を足します。
例:最小読取値0.05 mmのノギスで、本尺9 mm、バーニヤ3目盛なら、9+0.05×3=9.15 mm
一般的なアナログタイプには0.05 mm読みや0.02 mm読みがあります。デジタルタイプには0.01 mm単位で表示する機種もありますが、表示できる桁と測定精度は同義ではありません。
読んだら、目盛りを試してみよう。
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4. 測定前に必ず確認すること

- 各測定面・摺動面を清掃する
- スライダが全範囲で滑らかに動くか確認する
- 外側ジョウを閉じ、測定面の隙間・先端変形を確認する
- 内側ジョウの測定面を確認する
- ゼロ点を確認する
- アナログ式は真正面から目盛を読む
斜めから目盛を読むと視差が生じます。測定前のゼロ確認は、単なる儀式ではなく測定器の状態確認です。
5. 外側寸法の正しい測り方

- 測定物を外側用ジョウの間へ入れる
- 測定面を対象へ平行・直角に正しく当てる
- 適正で均一な測定力で密着させる
- できるだけ本尺の基準端面に近い位置ではさむ
- 姿勢を保ったまま値を読む
ジョウ先端だけで測る、強く押し込む、斜めにはさむと誤差が拡大しやすくなります。ミツトヨも、外側測定では必要以上の測定力や斜め保持、ジョウ先端付近での測定を避けるよう案内しています。
6. 内側寸法の正しい測り方

穴径を測る場合は、内側用ジョウをできるだけ深く差し込み、内壁に適切に密着させます。円形穴では、姿勢を調整しながら最大になる値を探すのが基本です。溝幅では条件により最小値を探します。
内側ジョウは接触形状と姿勢の影響を受けやすいため、厳しい内径公差ではシリンダゲージや内側マイクロメータなど、用途に合う測定器を検討します。
7. 深さを正しく測る方法

- 本尺側の深さ測定面を入口面へ密着させる
- ノギスが入口面に対して傾かないよう保持する
- デプスバーを底へ軽く接触させる
- 姿勢を崩さず値を読む
深さ測定面は狭く、姿勢が不安定になりやすい点に注意します。要求精度が高い場合や基準面が狭い場合は、デプスゲージやデプスマイクロメータなどを使う方が適切なことがあります。
8. 段差を正しく測る方法

段差はデプスバーではなく、ノギスの段差測定面を使って測定できます。本尺側とスライダ側の段差測定面をそれぞれの面へ十分に密着させます。
ミツトヨは、デプスバーは接触面積が小さく安定保持しにくいため、デプスバーによる段差測定を推奨していません。段差測定面全体を対象へ密着させるのがポイントです。
9. よくある測定ミス

- 測定物を斜めにはさむ
- ジョウ先端だけを使う
- 必要以上の測定力をかける
- ゴミ・油・バリを確認しない
- アナログ目盛を斜めから読む
- 内径で最大値を探さない
- 深さ測定で本体を傾ける
- 0.01 mm表示だから0.01 mm公差をそのまま判定できると思う
10. ノギスとマイクロメータの使い分け
| 比較 | ノギス | 外側マイクロメータ |
|---|---|---|
| 用途 | 外側・内側・深さ・段差 | 主に外径・厚さ |
| 汎用性 | 高い | 用途が比較的限定 |
| 測定力 | 作業者の影響を受けやすい | ラチェット等の定圧機構を使用できる |
| 使い分け | 汎用・概略~一般寸法測定 | より細かい寸法管理 |
「マイクロメータの方が常に正解」ではなく、対象形状・公差・必要な測定能力・作業性で選びます。
11. ノギスで厳しい公差を測るときの注意
公差が小さくなるほど、測定器の器差だけでなく、測定力、姿勢、温度、分解能、校正状態、不確かさなどの影響を無視できません。ノギスで値が読めても、その測定方法が判定に十分かは別問題です。
測定器選定では、単に「公差より細かく表示できるか」ではなく、工程で必要な判定能力を持つかを確認します。
12. 技能検定につながるポイント
- 4つの測定方法を区別する
- 本尺+バーニヤの読み方を説明できる
- ゼロ点・視差・測定力・測定姿勢を誤差要因として説明する
- 外径・内径・深さ・段差で当て方が違うことを理解する
- ノギスとマイクロメータなどの使い分けを説明する
13. よくある質問・確認問題
デジタルノギスならアナログより必ず正確ですか?
必ずしもそうではありません。読取りは簡単になりますが、測定姿勢・測定力・器差・温度などの影響は残ります。
内径はノギスで十分ですか?
要求公差と対象形状によります。厳しい内径公差ではシリンダゲージや内側マイクロメータなどが適する場合があります。
確認問題:最小読取値0.05 mm、本尺12 mm、バーニヤ7目盛なら? → 12.35 mm
14. 参考資料・一次情報
最終確認:2026年10月2日|著者:UG|JIS B 7507:2022はバーニヤ・ダイヤル・デジタル表示のノギスを対象とする現行JIS。外側・内側・段差・深さの使い分けと、表示桁数と測定の正確さが別であることを再確認済みです。
15. まとめ・関連記事
- ノギスは外側・内側・深さ・段差を1本で測定できる
- 測定前は清掃・摺動・測定面・ゼロを確認する
- 姿勢・測定力・当てる位置が測定値へ影響する
- 表示桁数と測定の正確さは別
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