変数選択は、候補となる説明変数の中から、目的に必要な変数を選んで回帰モデルを構築する手順です。
NIST Dataplotは、全ての部分集合、前進ステップワイズ、後退ステップワイズを代表的な選択方法として整理しています。
1. なぜ変数を選ぶのか
変数を増やせばR²は上がりやすい一方、過学習・共線性・解釈困難が増えます。必要十分なモデルを作るために選択します。
2. 全ての部分集合回帰
候補変数の全組合せを評価する方法です。変数数が少ない場合は網羅的ですが、p個なら2^p個のモデル候補となり、変数数が増えると急増します。
3. 前進選択法
少ない変数から始め、追加したとき最も改善する変数を1つずつ入れます。一度入れた変数を原則残す方法では、後から不要になった変数を取り除けない欠点があります。
4. 後退消去法
全候補を入れたモデルから始め、寄与の小さい変数を1つずつ削除します。初期のフルモデルを推定できる十分な標本数が必要です。
5. ステップワイズ法
追加と削除を繰り返し、途中で一度入った変数も再評価します。自動化しやすい一方、データ依存が強く、わずかなデータ変更で選択結果が変わることがあります。
6. Mallows Cpなど複数指標を見る
NISTのBEST CPは、候補モデルを比較する指標としてCpを扱います。調整済みR²、AIC/BIC、予測誤差など、目的に合う指標を組み合わせます。
7. 統計的に不要でも工程上必要な変数がある
安全上重要な交絡因子や既知の物理要因を、自動選択だけで削ると誤った解釈につながります。工程知識を優先して固定変数を決める場合があります。
8. 選択後のp値を過信しない
同じデータで何度もモデルを選び、その最終モデルのp値だけを見ると不確かさを過小評価しやすくなります。可能なら検証データや交差検証で再確認します。
9. よくある質問(FAQ)
p値が大きい変数は全部削除してよいですか?
いいえ。交絡調整、階層原則、工程知識などで残すべき変数があります。
自動ステップワイズが最適ですか?
最適とは限りません。候補生成の一手段として使い、診断・検証・工程知識で確認します。
10. 一次情報・参考資料
- NIST Dataplot|BEST CP / Variable Selection
- NIST/SEMATECH|Linear Least Squares Regression
- 日本規格協会|QC検定レベル表
最終確認:2026年10月1日。
11. まとめ
変数選択は、モデルを小さくすること自体ではなく、予測力・安定性・解釈性を両立するための工程です。 自動選択だけに任せず、検証と工程知識を組み合わせます。
品質管理の教科書TOP:全16章・191テーマへ戻る
執筆・最終確認:UG。NIST・JSA公開情報をもとに整理しています。
← 前:14-8|重回帰分析 | 品質管理の教科書TOP | 次:14-10|主成分分析 →

コメントを残す