共分散は、2つの変数が平均から同じ方向にずれる傾向か、逆方向にずれる傾向かを表す量です。
正なら同方向、負なら逆方向の線形な連動を示します。ただし値の大きさは単位に依存するため、強さ比較には相関係数を使います。
1. 母共分散の定義
Cov(X,Y)=E[(X−μX)(Y−μY)] です。XとYがともに平均より上・ともに下なら積は正、片方だけ上なら負になります。
2. E[XY]−E[X]E[Y]でも計算できる
展開すると Cov(X,Y)=E[XY]−E[X]E[Y] です。理論計算ではこちらが便利な場合があります。
3. 標本共分散はn−1で割る
NISTが示す標本共分散は Σ(Xi−X̄)(Yi−Ȳ)/(n−1) です。分散共分散行列では対角に各変数の分散、非対角に共分散が並びます。
4. 共分散の単位はX×Y
温度[℃]と寸法[mm]なら共分散の単位は℃·mmです。変数の尺度を変えると値が変わるため、異なる組合せの強さを単純比較できません。
5. 相関係数は共分散を標準化する
ρ=Cov(X,Y)/(σXσY) と標準偏差で割ると、−1〜+1の無次元量になります。これが母相関係数です。
6. 独立なら共分散0
独立ならE[XY]=E[X]E[Y]なのでCov(X,Y)=0です。ただし逆は一般に成り立ちません。
7. 共分散0でも非線形依存があり得る
たとえばY=X²のような左右対称関係では、XとYに強い依存があっても共分散が0になる場合があります。散布図を併用します。
8. 多変量解析では分散共分散行列が中心になる
主成分分析や多変量正規分布では、複数変数のばらつきと関係を分散共分散行列でまとめます。第14章の多変量解析へつながる重要概念です。
9. よくある質問(FAQ)
共分散が大きいほど関係が強いですか?
単位や尺度に依存するため、異なる変数ペア間では相関係数の方が比較しやすいです。
共分散0なら独立ですか?
一般には違います。独立なら共分散0ですが、共分散0でも非線形の依存関係が残ることがあります。
10. 一次情報・参考資料
最終確認:2026年10月1日。
11. まとめ
共分散は2変数の同時変動を表し、相関係数はそれを標準化した指標です。 単位依存性と「無相関≠独立」を押さえます。
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