第2章|2-6 例を見せる

ChatGPTで入力例と出力例を見せることで、回答の完成形や形式を合わせやすくする方法を示したアイキャッチ画像

ChatGPTに「もっとこんな感じで」と何度もやり直しを頼んでいるなら、文章で説明するだけでなく完成イメージの例を見せる方法が使えます。

OpenAIのプロンプトガイドでも、少数の入力例と理想の出力例を提示し、そのパターンを新しい入力へ適用させるfew-shot promptingが紹介されています。

結論:例を見せる方法は、文章の雰囲気、分類ルール、表やJSONの形など、言葉だけでは伝えにくい完成形を合わせたいときに有効です。ただし、最初から大量の例を入れる必要はありません。

目次 タップで開閉
  1. 1. 結論|例を見せると完成形を合わせやすい
  2. 2. 「例を見せる」とは?
  3. 3. Few-shot promptingとは?
  4. 4. 例が効果を出しやすい場面
  5. 5. まず1つの例で十分な場面
  6. 6. 複数の例を見せるときの考え方
  7. 7. 良い例は「代表性・一貫性・短さ」を意識する
  8. 8. 入力例と出力例をセットで見せる
  9. 9. 文章のトーンを例で合わせる
  10. 10. 表・JSON・テンプレートを例で合わせる
  11. 11. 分類・判定タスクではラベル例が効く
  12. 12. 悪い例|指示と見本が矛盾している
  13. 13. 悪い例|1つの偏った例だけを見せる
  14. 14. 例を増やしすぎない
  15. 15. 例を見せても事実の正確性は保証されない
  16. 16. 用途別|そのまま使えるプロンプト例
  17. 17. FAQ|例を見せるプロンプトでよくある疑問
  18. 18. 参考・確認先
  19. 19. まとめ|説明しにくい完成形は見本で伝える

1. 結論|例を見せると完成形を合わせやすい

例を見せる一番のメリットは、「こうしてほしい」を説明ではなく完成形で共有できることです。

伝えたいこと例を見せると伝わりやすい内容
文章の雰囲気短さ、硬さ、言葉遣い、テンポ
出力形式表、JSON、定型文、項目順
分類ルールどの入力をどのラベルに分けるか
修正方針元文から何を残し、何を変えるか

特に「文章で条件を説明してもズレる」「完成形は頭にあるが言語化しにくい」という場面で役立ちます。

2. 「例を見せる」とは?

ここでいう「例を見せる」とは、単に参考文を貼ることではありません。新しい依頼に適用してほしいルールが分かる見本を提示することです。

例:
入力「会議は明日の15時です」
出力「明日15時に会議があります。」

この形式に合わせて次の文章も整えてください。
入力「提出期限は金曜の17時です」

この例から、ChatGPTは「情報を変えず、自然な一文へ整える」というパターンを読み取れます。

入力例と出力例の見本から共通ルールを読み取り、新しい依頼へ同じ形で適用する流れをPromiiと示した図解

3. Few-shot promptingとは?

Few-shot promptingは、少数の入力例と期待する出力例をプロンプトに含め、同じパターンを新しい入力へ適用してもらう方法です。

OpenAIの公式ドキュメントでは、複数の例を提示するときは、想定される入力の幅をある程度カバーできるよう多様な例を示す考え方が案内されています。

ただし、通常の質問まで何でもfew-shotにする必要はありません。まず明確に依頼し、それで足りなければ例を追加する方がシンプルです。

4. 例が効果を出しやすい場面

  • 文章のトーンやテンポを合わせたい
  • 定型フォーマットを再現したい
  • 分類や判定のルールを伝えたい
  • 修正前→修正後の差を見せたい
  • 表やJSONの項目順を固定したい
  • 「短く」「丁寧に」だけではズレる

逆に、単純な事実質問や計算のように完成形が明確な依頼では、例なしでも十分な場合があります。

5. まず1つの例で十分な場面

完成形の特徴が単純なら、最初は1例だけで試せます。

「次のような短い商品説明にしてください。

例:
入力:軽量でUSB-C充電に対応したモバイルバッテリー
出力:持ち運びやすく、USB-Cで手軽に充電できるモバイルバッテリーです。

入力:防水対応の小型Bluetoothスピーカー」

まず1例で試し、ズレる部分があれば2例目を追加します。最初から長いプロンプトにしない方が管理しやすくなります。

まず1例を見せ、結果を確認し、必要な場合だけ2例目を追加する手順をPromiiと示した図解

6. 複数の例を見せるときの考え方

複数例を使う目的は、同じ例を何度も見せることではありません。どこまでが共通ルールで、どこが入力によって変わる部分なのかを伝えることです。

例入力期待する出力
例1とても良かったPositive
例2悪くはないが普通Neutral
例3もう使いたくないNegative

このように境界が異なる例を見せると、単一の例より分類ルールを共有しやすくなります。

7. 良い例は「代表性・一貫性・短さ」を意識する

ポイント考え方
代表性実際に来そうな入力を使う
一貫性同じルールで出力する
短さ学ばせたい部分以外を増やしすぎない

「すごく特殊な1件」だけを見せるより、普段よく扱うケースを見本にする方が使いやすくなります。

8. 入力例と出力例をセットで見せる

見本を提示するときは、完成文だけを貼るより、どんな入力からその出力になったのかも一緒に示す方がルールを読み取りやすくなります。

入力例:
「明日の会議資料を確認してください」

出力例:
「お疲れさまです。明日の会議資料をご確認いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。」

このようにすると、「敬語にする」「意味を変えない」「短い社内文にする」といった変換ルールが分かりやすくなります。

9. 文章のトーンを例で合わせる

文章の雰囲気は、「やさしく」「プロっぽく」だけでは人によってイメージが違います。そこで、理想に近い短い見本を示します。

「次の文章と同じくらいの硬さ・文の長さで書いてください。内容はコピーせず、トーンだけ参考にしてください。

見本:専門用語は必要最小限にし、初めて読む人でも判断できるよう順番に説明します。」

「内容はコピーしない」「トーンだけ参考」のように、何を真似してほしいのかを指定すると意図がさらに明確になります。

10. 表・JSON・テンプレートを例で合わせる

項目名や順番が重要な出力では、説明だけでなく完成例を1つ見せる方法が使えます。

「次の形式に合わせて出力してください。

例:
商品名:〇〇
価格:3,000円
メリット:軽い
注意点:防水ではない

同じ4項目で次の商品も整理してください。」

出力形式そのものを指定する方法は、2-4|出力形式を指定するで詳しく解説しています。例を見せる方法は、その形式をさらに具体化したいときに組み合わせます。

同じ情報を表・JSON・テンプレートへ整え、見本で項目名・順番・形を共有する方法をPromiiと示した図解

11. 分類・判定タスクではラベル例が効く

問い合わせ分類、レビュー判定、文章のカテゴリ分けなどでは、入力と正解ラベルの組み合わせを複数見せるとルールを伝えやすくなります。

「次の例を参考に、問い合わせを分類してください。

『商品が届かない』→ 配送
『カードで決済できない』→ 支払い
『登録メールを変更したい』→ アカウント

分類対象:『パスワードを忘れました』」

ラベル名だけで意味が分かりにくい場合は、各ラベルの説明も短く添えると安定しやすくなります。

複数の入力例と正解ラベルを見せて、分類の判断境界をPromiiと示した図解

12. 悪い例|指示と見本が矛盾している

よくある失敗は、「短く答えて」と書いているのに、見本が長文になっているケースです。

指示:100文字以内で簡潔にまとめてください。
見本:400文字以上の長い説明文

この状態では、文章による条件と例が別の方向を向いています。指示と例は同じルールにそろえるのが基本です。

100字以内という指示と400字以上の見本が矛盾する悪い例をPromiiと示した図解

13. 悪い例|1つの偏った例だけを見せる

複数パターンがある仕事で、特殊なケースだけを見本にすると、その特徴まで共通ルールだと受け取られることがあります。

たとえば商品レビューを「Positive / Neutral / Negative」に分けたいのに、Positiveの例しか見せなければ、境界の判断材料が不足します。

分類や変換ルールに幅があるなら、異なるケースを少数ずつ見せます。

Positiveだけの偏った例と幅のある複数例を比較し、判断の境界をPromiiと示した図解

14. 例を増やしすぎない

例が多いほど必ず良くなるわけではありません。プロンプトが長くなり、どのルールが重要なのか自分でも管理しにくくなります。

  1. まず明確な指示だけで試す
  2. ズレるなら1つの例を加える
  3. 境界が必要なら2〜3例へ増やす
  4. 不要になった例は削る

OpenAIのHelp Centerでも、まずzero-shotで試し、必要に応じてfew-shotへ進む考え方が紹介されています。

指示だけから始め、必要に応じて例を増やし不要な例を削る流れをPromiiと示した図解

15. 例を見せても事実の正確性は保証されない

例を見せる方法が改善するのは、主に形式・パターン・判断基準の共有です。見本を入れたからといって、最新情報や事実関係が自動的に正しくなるわけではありません。

  • 価格や制度は最新情報を確認する
  • 技術数値は条件・単位・対象を確認する
  • 法律・医療など重要分野は一次情報を確認する
  • 見本自体に誤りがないか確認する

ChatGPTの回答ミスについては、1-8|ChatGPTは間違えることがあるも参考にしてください。

例で形式や判断基準は合わせやすくても、事実・最新性・数値条件は別に確認が必要とPromiiと示した図解

16. 用途別|そのまま使えるプロンプト例

文章の言い換え

「次の例と同じくらい簡潔な文章へ直してください。意味は変えないでください。

入力例:本日の作業について確認を実施しました。
出力例:本日の作業を確認しました。

変換する文章:[ここに文章]」

分類

「次の例を参考に、問い合わせを『配送・支払い・アカウント』のどれか1つへ分類してください。

商品が届かない → 配送
カード決済が失敗する → 支払い
メールアドレスを変更したい → アカウント

分類対象:[問い合わせ]」

定型レポート

「以下の完成例と同じ項目・順番でまとめてください。

例:
結論:異常なし
確認内容:外観・寸法
対応:継続監視

今回の情報:[内容]」

文章のトーン

「次の見本と同じくらい、初心者向けで簡潔なトーンにしてください。内容や表現はコピーせず、文の硬さと説明レベルだけ参考にしてください。

見本:難しい設定は必要ありません。まず基本機能から試せば十分です。

テーマ:[説明したい内容]」

17. FAQ|例を見せるプロンプトでよくある疑問

例は何個くらい見せればいいですか?

固定の正解はありません。単純な形式なら1例から始め、判断の境界や複数パターンが必要なら少数の例を追加するのが扱いやすいです。

完成例だけ貼ってもいいですか?

可能ですが、変換ルールを伝えたい場合は「入力例→出力例」のセットにした方が、何を変えたのかが明確になります。

例をそのままコピーされることはありますか?

見本の特徴が強いほど、語句や構造が似ることがあります。「内容はコピーせず、形式だけ参考にする」など、参考にしてほしい範囲を明示すると意図を伝えやすくなります。

毎回few-shotを使う必要がありますか?

必要ありません。普通の指示で十分なら例は不要です。説明だけではズレる部分に絞って使う方がシンプルです。

18. 参考・確認先

最終確認:2026年9月28日 プロンプトの推奨方法やモデルの特性は更新される場合があります。最新情報はOpenAI公式を確認してください。

19. まとめ|説明しにくい完成形は見本で伝える

  • 例を見せると、完成形・形式・判断基準を共有しやすい
  • 少数の入力例と出力例を示す方法はfew-shot promptingと呼ばれる
  • まず通常の指示で試し、必要なときだけ例を加える
  • 複数例は同じものではなく、異なる代表パターンを見せる
  • 指示と例のルールを矛盾させない
  • 例を見せても事実の正確性は別途確認する

例を見せる方法まで使えるようになると、「説明する」だけでなく「完成形を見せて合わせる」という指示ができます。

次の2-7|長文の指示を書く方法では、条件が多い依頼を長文プロンプトへ整理するときの書き方を解説します。

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