フェライトとパーライトは、炭素鋼の常温組織を理解するうえで基本となる存在です。ただし、フェライトは相、パーライトはフェライトとセメンタイトが組み合わさった組織で、同じ分類ではありません。
まず結論
フェライトは炭素を少量しか固溶しない比較的軟らかく延性のある鉄基の相です。パーライトはフェライトとセメンタイトが層状などに並んだ二相組織で、フェライト単独より一般に硬く強くなります。
フェライトとは?
常温付近で安定なα鉄を基にした体心立方(BCC)の相です。炭素の固溶量が小さく、低炭素鋼では多く見られます。比較的軟らかく加工しやすい性質を示します。
パーライトとは?
オーステナイトから共析変態によって形成される、フェライトとセメンタイトの混合組織です。顕微鏡では条件により層状構造として観察されます。冷却条件によって層間隔が変わり、性質も変化します。
炭素量で割合が変わる
亜共析鋼では一般にフェライト+パーライトの組織となり、炭素量が増えるとパーライト割合が増える傾向があります。共析組成付近では、平衡に近い冷却で主にパーライトが形成されます。
熱処理との関係
焼なましや焼ならしではフェライト・パーライト系の組織を整えることが多く、焼入れではこれらへ拡散変態する前に急冷してマルテンサイト形成を狙います。
覚え方
フェライト=比較的軟らかい『相』、パーライト=フェライト+セメンタイトの『組み合わせ』と分けると混乱しにくくなります。
まとめ
第17回の要点は、用語だけを暗記せず、温度・炭素量・時間・冷却速度と組織の関係で考えることです。実際の熱処理条件は鋼種・寸法・前組織・設備・仕様で変わるため、材質規格と作業標準を優先してください。
参考
金属熱処理 初心者講座

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