第11章|11-10 単回帰分析|XからYを説明・予測する直線モデルを作る

単回帰分析は、1つの説明変数Xと応答Yの関係を直線モデルで表し、XからYを説明・予測する方法です。

相関が「一緒に動く強さ」を見るのに対し、回帰ではY=β₀+β₁X+εという方向を持つモデルを設定します。

1. 単回帰モデルの基本形

Y = β₀ + β₁X + εです。β₀は切片、β₁は傾き、εはモデルで説明できない誤差です。標本データから推定した式は ŷ=b₀+b₁x と書きます。

2. 最小二乗法で直線を決める

NISTでは、観測値とモデル予測値の差の二乗和を最小にするよう係数を推定する方法を最小二乗法として説明しています。誤差を正負のまま足すのではなく二乗することで、ずれの大きい点を強く反映します。

3. 傾きb₁はXが1増えたときのY変化量

たとえばb₁=0.8なら、モデル上はXが1単位増えるとYが平均0.8単位増える関係です。単位を必ず確認し、因果効果と自動的に同一視しません。

4. 切片b₀はX=0の予測値

X=0が観測範囲外なら、切片に実務的意味がない場合があります。数式上必要でも、現場解釈まで無理に与えないことが重要です。

5. 決定係数R²は説明できた変動割合

R²は0〜1で、応答Yの変動のうちモデルで説明された割合を表します。ただしNISTも、高いR²だけでモデル妥当性は保証できないと注意しています。

6. 傾きの検定で線形関係を評価する

H₀:β₁=0を検定し、XとYの線形関係が統計的に確認できるかを見ることがあります。p値だけでなく、傾きの推定値と信頼区間も確認します。

7. 推定と予測は不確かさが違う

あるXでの平均応答を推定する区間と、新しい1個の観測値を予測する区間は異なります。個別予測には個体ばらつきも加わるため、通常は予測区間の方が広くなります。

8. 外挿は慎重に扱う

実験・観測範囲の外まで直線関係が続く保証はありません。10〜20の範囲で作った回帰式をX=100へ使うような外挿は、工程機構の裏付けがなければ危険です。

9. よくある質問(FAQ)

相関係数が高ければ回帰式も使えますか?

十分ではありません。残差に曲線や扇形がないか、外れ値・独立性・一定分散などを確認します。

R²=0.95なら良いモデルですか?

高いR²は説明力の1指標ですが、それだけでは十分ではありません。残差診断と目的に対する予測精度を確認します。

10. 一次情報・参考資料

最終確認:2026年10月1日。

11. まとめ

単回帰分析は、XとYの関係を直線モデルで表し、最小二乗法で係数を推定します。 傾き・R²・検定だけで終わらず、残差と外挿範囲を確認して初めて実務で使えるモデルになります。

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執筆・最終確認:UG。公開情報と一般化した製造現場の考え方をもとに解説しています。

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フィードバック

  1. […] 傾きb₁・切片b₀の求め方や、回帰直線が何を表すかを先に復習したい場合は、11-10 単回帰分析|XからYを説明・予測する直線モデルを作るを確認してください。本記事では、そこで求めた係数をもとに、標準誤差・t検定・信頼区間へ進みます。 […]

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