第6章|6-3 X̄-R管理図|平均とばらつきを2枚で管理する理由

X̄-R管理図は、少数個ずつのサブグループを作り、「平均」と「群内ばらつき」を同時に管理する計量値用の代表的な管理図です。

1. X̄図とR図の役割

  • X̄図:各群の平均が時間とともにどう動くかを見る
  • R図:各群の最大値−最小値で群内ばらつきを見る

平均だけでなくばらつきも安定しているかを確認するため、2枚をセットで使います。

2. まず合理的な群分けをする

同じ条件で短時間に作られた複数個を1群にするなど、群内では通常ばらつき、群間では時間変化が見えるように設計します。群分けが悪いと異常が見えにくくなります。

3. 各群のX̄とRを計算する

各群の平均X̄と、最大値−最小値のRを求めます。さらに全群の平均X̄̄と平均範囲R̄を求めます。

4. X̄図の管理限界

UCL = X̄̄ + A₂R̄、CL = X̄̄、LCL = X̄̄ − A₂R̄ が基本形です。A₂は群サイズnで決まる管理図係数です。

5. R図の管理限界

UCL = D₄R̄、CL = R̄、LCL = D₃R̄ が基本形です。D₃・D₄も群サイズによって決まります。

6. R図を先に確認する理由

ばらつきが不安定な状態では、X̄図の限界計算の前提も揺らぎます。実務ではまずR図の安定性を確認し、その後X̄図を評価します。

7. 群サイズを途中で変えない

A₂・D₃・D₄はnに依存するため、群サイズを変えるなら限界計算も変わります。サンプリング設計を標準化します。

8. 現場ミニケース

1時間ごとに連続5個の寸法を測り、5個の平均と範囲を記録するとします。R図だけ急上昇した場合、中心は変わらなくても工具・材料・測定などのばらつき要因を疑います。

9. よくある質問(FAQ)

X̄図だけではだめですか?

平均だけでは群内ばらつきの変化を見落とします。X̄-R管理図ではR図とセットで判断します。

標準偏差を使う管理図もありますか?

あります。群サイズが比較的大きい場合などにX̄-s管理図が使われます。第10章で扱います。

10. 一次情報・参考資料

最終確認:2026年10月1日。管理図係数・判定ルール・社内規格は、使用する規格・教材・社内基準の最新版を確認してください。

11. まとめ

X̄-R管理図は、工程の中心とばらつきを同時に見る管理図です。 群分けを適切に設計し、R図の安定性を確認してからX̄図を判断します。

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執筆・最終確認:UG。公開情報と一般化した製造現場の考え方をもとに解説しています。

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