第5章|5-7 パレート図|「多い順」に並べるだけではない重点指向の道具

パレート図は、項目別の大きさを降順の棒グラフで並べ、累積比率を折れ線で示すことで重点問題を見つける道具です。

第4章の重点指向を、データで実行する代表的なQC七つ道具です。

1. パレート図で分かること

どの不良・損失・原因が全体の大きな割合を占めるかを視覚化し、改善テーマの優先順位を決めやすくします。

2. 基本の作り方

  • 分類項目を決める
  • 件数・損失額などを集計する
  • 大きい順に並べる
  • 棒グラフを描く
  • 累積値・累積比率を計算し折れ線を重ねる

3. 分類の仕方が結果を決める

『その他』が最大になっているなら分類が粗すぎる可能性があります。逆に細か過ぎると重点が見えません。改善行動につながる単位へ分類します。

4. 件数だけでなく損失額でも作る

傷不良が100件でも1件100円、機能不良が10件でも1件10万円なら、件数と損失額で順位が逆転します。目的に合う尺度を選びます。

5. 80:20を絶対視しない

パレートの原理は重点化の参考ですが、必ず80%が20%の項目に集中するわけではありません。安全・法規は件数が少なくても優先します。

6. 改善前後を比較する

同じ分類・期間・尺度で改善前後を比較すると、重点項目が本当に減ったか、新しい問題が上位に来たかを確認できます。

7. 母数の変化に注意する

生産量が倍になれば件数も増えやすいため、不良率や1000個当たり件数も併用します。

8. 現場ミニケース

月100件の不良を種類別に並べ、傷45、寸法30、汚れ15、その他10なら傷が最初の重点候補です。ただし寸法不良が顧客停止につながるなら重大度を別軸で評価します。

9. よくある質問(FAQ)

パレート図と棒グラフの違いは?

パレート図は通常、項目を大きい順に並べ累積比率を組み合わせ、重点化に使う点が特徴です。

原因別に作ってよいですか?

原因が確認済みなら有効です。原因未確認の段階で推測原因を分類すると、誤った重点化になるので注意します。

10. 一次情報・参考資料

最終確認:2026年10月1日。試験範囲・規格・社内基準は最新版を確認してください。

11. まとめ

パレート図は、改善資源をどこへ集中するかをデータで示す道具です。 分類・尺度・母数・重大度を確認し、単なる多い順で終わらせません。

品質管理の教科書TOP:全16章・191テーマへ戻る

執筆・最終確認:UG。公開情報と一般化した製造現場の考え方をもとに解説しています。

← 前:5-6|範囲・分散・標準偏差 | 品質管理の教科書TOP | 次:5-8|特性要因図 →

← 前:5-6|範囲・分散・標準偏差 | 品質管理の教科書TOP | 次:5-8|特性要因図 →

フィードバック

  1. […] パレート図は有効ですが、件数が少なくても重大な安全問題や市場流出は優先度が高くなります。パレート図の尺度を件数・損失・重大度で変えて確認します。 […]

  2. […] 不良種類や発生場所をパレート図で整理し、問題の大部分を占める重点領域を確認します。重大度との併用も必要です。 […]

  3. […] 前:5-7|パレート図 | 品質管理の教科書TOP | 次:5-9|チェックシート […]

  4. […] 前:5-5|平均・中央値・最頻値 | 品質管理の教科書TOP | 次:5-7|パレート図 […]

  5. […] 不良種類や損失の大きい順に並べ、重点テーマを決めるならパレート図です。 […]

  6. […] 全体のパレート図を設備別・品種別に作ると、重点不良が層によって違うことがあります。 […]

コメントを残す