総排気量は「π÷4 × ボア² × ストローク × 気筒数」で求められます。
式を暗記するだけでなく、円柱の体積を計算していると理解すると、単位換算や1気筒排気量との関係で迷いにくくなります。
30秒でわかる
- 総排気量=π÷4×ボア²×ストローク×気筒数で求めます。
- ボアはシリンダ内径、ストロークはピストンの移動距離です。
- 寸法をmmで入力した場合、計算後に1,000で割るとcm³(cc)になります。
- 例:86mm×86mmの4気筒は約1,998cm³(約2.0L)です。
シリンダの中でピストンが動いて押しのける体積を、気筒の数だけ合計する計算です。燃焼室のすきま容積は総排気量に足しません。
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1. まず結論|排気量の計算方法
総排気量(cm³)=π÷4 × ボア(mm)² × ストローク(mm)× 気筒数 ÷ 1,000です。1気筒分の容積を求めてから気筒数を掛けます。ボアとストロークをcmで入力する場合は、最後の「÷1,000」は不要です。
2. 公式を円柱の体積から理解する
シリンダの断面は円なので面積はπr²です。直径をボアBとするとr=B/2のため、断面積はπB²/4。これにストロークSを掛けると1気筒の行程容積になります。
- ボアとストロークを同じ単位にそろえる
- B²を計算する
- π/4を掛けてシリンダ断面積を求める
- ストロークを掛けて1気筒排気量を出す
- 気筒数を掛けて総排気量にする
- 必要ならmm³をcm³へ換算する
実務ではカタログ排気量が計算値から少し丸められて表示されることがあります。また、ボアやストロークの公称値と実測値には製造公差があるため、計算結果を小数点以下まで過度に厳密な「実排気量」として扱わないことも重要です。資格問題では単位をそろえることが最優先で、mmをcmへ変換してから計算する方法と、mm³で計算して最後に1,000で割る方法のどちらでも構いません。途中式に単位を書いておくと、二乗や三乗の換算ミスを防ぎやすくなります。
3. ここを押さえると理解しやすい
- 1 cm³=1000 mm³
- 1000 cm³=1 L
- ボアは二乗されるため入力ミスの影響が大きい
- πは問題指定の値を使う
- 丸めるタイミングを早くしすぎない
4. 関連する項目との違い・つながり
排気量からボアやストロークを逆算する問題もありますが、基本式は同じです。圧縮比計算ではさらに上死点時のすきま容積が必要になります。
ボアとストロークの意味は4-1|ボア・ストローク・排気量、単気筒と多気筒の違いは4-3|気筒数の違いで整理しています。圧縮比は(行程容積+すきま容積)÷すきま容積で求める別の指標です。行程容積そのものを圧縮比と混同しないようにしましょう。
5. 具体例で考える
ボア86mm・ストローク86mm・4気筒の計算例です。πを3.141592…として計算すると、1気筒は86²×π÷4×86÷1,000=約499.56cm³。これを4気筒分にすると約1,998.23cm³(約2.0L)です。カタログの「1,998cm³」のような表示は、端数の扱いを確認して読みましょう。
| ボア×ストローク(mm) | 1気筒(cm³) | 4気筒合計(cm³) |
|---|---|---|
| 80×90 | 約452.39 | 約1,809.56 |
| 86×86 | 約499.56 | 約1,998.23 |
| 90×90 | 約572.56 | 約2,290.22 |
6. 注意点・よくある誤解
単位換算で最も多い間違いは、mm³からcm³へ「10で割る」ことです。 長さは10mm=1cmですが、体積は10×10×10=1,000倍の違いがあります。したがって1cm³=1,000mm³です。
7. 実務・点検・資格学習での見方
資格問題では式より単位ミスが失点原因になりやすいため、途中式へ単位を書きます。実機仕様では公称排気量と計算値の丸めがわずかに異なる場合があります。
排気量の計算と性能評価は分けて考えます。 ボアを大きくすると、同じストローク・気筒数なら排気量はボアの二乗に比例します。ストロークを大きくすると、同じボア・気筒数なら排気量はストロークに比例します。ただし、排気量だけで馬力・トルク・燃費は決まりません。 燃焼方式、吸排気、過給などの条件も関係します。
8. よくある質問
Q. ccとcm³は同じですか?
体積として同じです。1 cc=1 cm³です。
Q. πは3.14でよいですか?
問題や資料に指定があればそれに従います。
Q. ボアを2倍にすると排気量も2倍ですか?
他条件一定ならボアは二乗で効くため4倍になります。
Q. 2,000ccと2.0Lは同じですか?
はい。1L=1,000cm³=1,000ccなので、2,000cc=2.0Lは正確に同じ体積です。一方、計算値が1,998.23cm³のエンジンを慣用的に「2.0Lクラス」と呼ぶ場合、厳密な数値は異なります。
9. 参考にした一次・公式情報
U.S. Department of Energy|Internal Combustion Engine Basics
ヤマハ発動機|排気量(計算式の公式解説)
Honda|INTEGRA主要諸元(内径86.0mm×行程86.0mm・総排気量1,998cm³の実例)
技術内容の最終確認:2026年10月9日。円柱の体積から導く式と単位換算は数学的な定義に基づきます。実機の公称排気量は、メーカーが公表する主要諸元で確認してください。
※機種固有の寸法、調整値、締付トルク、交換基準はメーカー・型式で異なります。実作業では対象機種の整備書・サービスデータを優先してください。
10. まとめ
- 公式はπ/4×B²×S×気筒数
- 円柱体積として理解する
- mm³→cm³は1000で割る
- 早すぎる丸めを避ける
- 圧縮比とは別の計算


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