第4章|4-4 真直度とは?

真直度とは、線の「まっすぐさ」を規制する形状公差です。 長尺部品の稜線や母線、軸線などが、理論的に正しい直線からどの程度ずれてよいかを指定します。形状公差なので、基本的にデータムを使わず対象そのものの形を評価します。

重要なのは、真直度が面全体の平らさではなく「線」を対象にすることです。表面上の直線要素を評価する場合と、軸線などの導出線を評価する場合では、公差域の読み方が変わることがあります。

目次 タップで開閉
  1. 1. 30秒でわかるポイント
  2. 2. 真直度とは?
  3. 3. 真直度の公差域
  4. 4. 表面の線と軸線の真直度は読み方が違う
  5. 5. 平面度・円筒度との違い
  6. 6. 現場で真直度が問題になる例
  7. 7. 真直度を測定する方法
  8. 8. 測定で起きやすい誤差
  9. 9. 図面で真直度を読む手順
  10. 10. よくある間違い
  11. 11. 技能検定につながるポイント
  12. 12. よくある質問
  13. 13. 参考資料・一次情報
  14. 14. まとめ
  15. 15. 関連記事

1. 30秒でわかるポイント

  • 真直度は形状公差で、線のまっすぐさを管理する
  • 基本的にデータムは不要
  • 表面上の線要素と軸線では、公差域の指示方法が異なることがある
  • 平面度は面全体、真直度は線を評価する
  • 測定方法は対象・公差値・図面指示に合わせて選ぶ

2. 真直度とは?

ISO 1101で扱われる真直度は、対象となる直線形体が幾何学的に正しい直線からどれだけ外れてよいかを規制するものです。ミツトヨも、真直度を「直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ」と整理しています。

たとえば長いガイド面の一方向の稜線、円筒外周の母線、あるいは軸の導出中心線など、「線として評価したい要素」に使います。

3. 真直度の公差域

公差域は、何に真直度を指示しているかで読み分けます。

対象の例公差域の考え方
表面上の直線要素指定された方向で、一定間隔の2本の平行直線の間に対象線が収まる
軸線・導出中心線指示方法によって2次元の領域または円筒状の領域を用いる。直径記号付きなら円筒状の公差域として読む

したがって、図面で真直度記号と数値だけを見るのではなく、指示先・直径記号・対象形体をセットで確認する必要があります。

4. 表面の線と軸線の真直度は読み方が違う

表面の母線に真直度が指定されている場合は、その線要素の曲がりを評価します。一方、軸線に対する真直度は、サイズ形体から導出される中心線のまっすぐさを評価する考え方です。

注意:「真直度0.05」と書かれているだけで、すべて同じ測り方になるわけではありません。どの要素に指示されているかを先に確認します。

5. 平面度・円筒度との違い

幾何公差主な対象何を見る?データム
真直度線・軸線などまっすぐさ基本不要
平面度面全体平らさ不要
円筒度円筒面全体円筒形状全体不要

長い円筒部品で「母線はまっすぐだが断面が真円でない」という状態もあり得ます。真直度だけで円筒全体の形状を保証するわけではありません。

6. 現場で真直度が問題になる例

  • 長いシャフトが弓なりに曲がり、組付けや回転に影響する
  • ガイド面の一方向が曲がり、摺動時の当たりが不均一になる
  • 円筒外周の母線が波打ち、シールや案内機能に影響する
  • 加工機の案内部品で直線性が不足し、位置精度へ影響する

どの真直度を管理するかは、部品の機能と図面の指示位置から判断します。

7. 真直度を測定する方法

簡便な測定では、定盤などの安定した基準上で対象物を支持し、ハイトゲージやダイヤルゲージで一定方向へ走査して高さの変化を確認する方法があります。キーエンスの解説でも、対象物またはハイトゲージを直線移動させ、最大値と最小値の差から真直度を確認する例が示されています。

より複雑な形状や軸線の評価では、三次元測定機や形状測定機などを使います。測定結果の算出方法が図面要求の真直度と一致していることが重要です。

8. 測定で起きやすい誤差

  • 支持方法でワークがたわむ
  • 定盤・測定面にゴミやバリがある
  • 測定方向が図面の要求方向と一致していない
  • 測定子の当て方・測定力が一定でない
  • 温度差で長尺部品が変形する
  • 測定ピッチが粗すぎて局所的な曲がりを見落とす

測定前に、支持・清掃・温度・測定方向・測定点数を決めておくと再現性が上がります。

9. 図面で真直度を読む手順

  1. 真直度記号の指示先を確認する
  2. 表面の線要素か、軸線などの導出線かを判断する
  3. 公差値を確認する
  4. 直径記号など、公差域を決める追加指示を確認する
  5. 対象の長さ・範囲を確認する
  6. 図面要求に合う測定方法を選ぶ

10. よくある間違い

  • 真直度=平面度と思う → 真直度は線、平面度は面全体
  • 必ずデータムが必要と思う → 真直度は形状公差なので基本不要
  • 最大値−最小値なら常に真直度になると思う → 測定セットアップと評価方法が図面要求に合っている必要がある
  • 軸の外径が公差内なら軸はまっすぐと思う → サイズと軸線の真直度は別の要求

11. 技能検定につながるポイント

技能検定では、真直度を「形状公差」と分類し、平面度との違いを説明できるようにします。さらに、対象が線なのか軸線なのか、公差域がどのように作られるかまで理解すると、図面問題や測定方法の説明へつながります。

12. よくある質問

真直度にデータムは必要ですか?

基本的には不要です。真直度は対象そのものの形を規制する形状公差です。

真直度と平面度の違いは?

真直度は線のまっすぐさ、平面度は面全体の平らさを評価します。

ダイヤルゲージだけで測れますか?

対象と要求精度によっては簡便に評価できますが、軸線の3次元的な真直度や厳しい公差では、三次元測定機や形状測定機などが必要になる場合があります。

13. 参考資料・一次情報

最終確認:2026年10月1日|著者:UG|ISO 1101:2017の現行状態、真直度が形状公差で通常データムを必要としないこと、直径記号付き軸線真直度では円筒状公差域となる代表例を再確認済み。JIS B 0021:1998は現在有効ですが改正計画があるため、適用版を確認してください。

14. まとめ

  • 真直度は線のまっすぐさを管理する形状公差
  • 基本的にデータムは不要
  • 表面の線要素と軸線では、公差域の読み方が異なる場合がある
  • 平面度は面、円筒度は円筒面全体を評価する
  • 測定では支持・清掃・温度・方向・評価方法をそろえる

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