Raは、表面粗さを表す代表的なパラメータの一つで、粗さ曲線の平均線からの高さ方向の偏差を平均的に表した値です。
現場では「Ra 1.6」「Ra 3.2」のように図面で目にすることが多く、数値が小さいほど一般に滑らかな表面を示します。ただし、Raだけで表面形状のすべてが分かるわけではありません。
30秒でわかるRa
- Ra=算術平均粗さ(算術平均高さ)として使われる代表的な粗さパラメータ
- 粗さ曲線の平均線からの上下の偏差を、絶対値として平均的に評価する
- 値が小さいほど、一般に微細な凹凸が小さい表面を示す
- 同じRaでも、山や谷の形・周期・傷の有無まで同じとは限らない
- 図面の規格・評価条件・測定方向も確認する必要がある
Raは何を表している?
表面には、目では分かりにくい細かな山と谷があります。
Raでは、その粗さ曲線について平均線を基準にし、山側・谷側の偏差を絶対値として扱い、評価区間で平均的な高さを求めます。
Raは「表面の細かな凹凸が平均的にどのくらいあるか」を見る指標
というイメージから入ると理解しやすくなります。
Raが小さいとどうなる?
一般には、Raの値が小さくなるほど表面は滑らかになります。
| Ra | イメージ |
|---|---|
| 大きい | 微細な凹凸が比較的大きい |
| 小さい | 微細な凹凸が比較的小さく、滑らか |
ただし、必要以上に小さなRaを要求すると、加工時間やコストが増える場合があります。どの程度の表面粗さが必要かは、摺動・密封・接触・外観など、その部品の機能で決まります。
同じRaでも表面は同じとは限らない
ここは機械検査で特に重要です。
Raは凹凸を平均的に評価する値なので、例えば次の2つの表面が同じRaになる可能性があります。
- 小さな凹凸が細かくたくさん続く表面
- 比較的平らだが、一部に大きめの山や谷がある表面
つまり、Raが同じ=表面の形が同じではありません。
機能上、深い傷や突出した山が問題になる場合には、Rzなど他のパラメータも併せて見る必要があります。
RaとRzの違い
Raは表面の凹凸を平均的に見るパラメータです。
一方、Rzは現在の一般的な定義では、基準長さにおける粗さ曲線の最大山高さと最大谷深さの和として扱われます。
| Ra | Rz | |
|---|---|---|
| 特徴 | 凹凸を平均的に評価 | 代表的な山と谷の高さ方向を評価 |
| 影響 | 局所的な深い傷の影響が平均化されやすい | 大きな山・谷の影響を受けやすい |
Rzについては次の記事で詳しく解説します。
Raはどう測る?
表面粗さは、触針式の表面粗さ測定機などを使って測定します。
- 図面で指定された粗さパラメータと条件を確認する
- 測定面を清掃する
- 測定方向を決める
- 適切な評価条件を設定する
- 測定子を表面に走査させる
- 得られた粗さ曲線からRaなどを算出する
- 図面要求と比較して判定する
加工目に方向性がある場合、測定方向によって値が変わることがあります。図面や規格で指定がある場合はそれを優先し、指定がない場合も対象面の加工方向を意識します。
基準長さ・評価長さも重要
Raの数値だけを比較しても、評価条件が違えば同じ意味にならない場合があります。
表面粗さ測定では、粗さとうねりを分離するフィルタや、評価する長さなどの条件が関係します。旧来の図面・測定条件と、現行規格に基づく評価条件が混在することもあるため、どの規格・条件で指示されているかを確認することが重要です。
規格は新旧を確認する
2026年9月時点で、プロファイル方式による表面性状の用語・定義・パラメータを扱う国際規格として ISO 21920-2:2021 が公開されています。
一方、現場にはJIS B 0601:2013やISO 4287系に基づく既存図面・設備・資料も残っています。ミツトヨの技術資料でも、新旧規格によってRzなどの定義が異なる場合があるため、図面がどの規格で指示されているか確認する必要があると注意されています。
UG BASEでは、規格名だけでなく「その図面が何年版・どの規格を前提にしているか」を確認してから判定することを推奨します。
よくある間違い
- Raが小さければ、どんな部品でも高品質だと考える
- Raが同じなら表面形状も同じだと考える
- 加工目の方向を無視して測定する
- 評価長さ・フィルタ・測定条件を確認しない
- 古い図面と新しい規格のパラメータ定義を混同する
🎓 技能検定につながるポイント
- Raが表面粗さの代表的な平均的指標であること
- RaとRzの違いを説明できること
- 粗さとうねりを区別すること
- 加工方向と測定方向を意識すること
- 図面の表面性状記号と測定条件を確認すること
ミニ問題
Q. Raが同じ2つの部品なら、表面の山・谷の形状も必ず同じ?
答え:同じとは限りません。
Raは凹凸を平均的に表すため、異なる表面形状でも同じRaになる可能性があります。
まとめ
- Raは表面粗さを表す代表的なパラメータ
- 粗さ曲線の平均線からの偏差を平均的に評価する
- 数値が小さいほど一般に滑らかな表面
- 同じRaでも表面形状が同じとは限らない
- RaだけでなくRzや測定条件も必要に応じて確認する
- 新旧規格が混在するため、図面が前提とする規格を確認する
参考
- ISO 21920-2:2021|Surface texture: Profile — Terms, definitions and surface texture parameters
- ミツトヨ「表面粗さの基礎知識」
機械検査の教科書

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