CCT線図とTTT線図は、オーステナイトが『何℃で・どれくらい時間がたつと・どの組織へ変わるか』を見るための図です。鉄−炭素系状態図だけでは分からない時間の要素を補います。
まず結論
TTTは一定温度に保持したときの等温変態、CCTは連続的に冷却したときの変態を表します。実際の焼入れ・空冷などの工程を考えるときはCCTが直感的で、変態機構や保持処理を理解するときはTTTが役立ちます。
TTT線図とは?
Time-Temperature-Transformationの略で、オーステナイトを所定温度へ急冷して保持した場合、フェライト・パーライト・ベイナイトなどの変態がいつ始まり、いつ終わるかを示します。
CCT線図とは?
Continuous-Cooling-Transformationの略で、連続冷却中にどの変態が起こるかを示します。冷却曲線が変態開始線を避けてMsまで到達できるかを見ることで、マルテンサイト形成のしやすさを考えられます。
C字カーブの意味
多くの鋼で拡散変態の開始線がC字状に見えます。最も短時間で変態しやすい『ノーズ』付近を冷却曲線が通るかどうかが焼入れ条件の理解に重要です。
線図は鋼種ごとに違う
炭素量・合金元素・オーステナイト粒径・オーステナイト化条件などで線図は変わります。他の鋼種のCCT/TTT線図をそのまま流用してはいけません。
初心者の読み方
①縦軸=温度、②横軸=時間、③冷却曲線と変態開始線の交点を見る、④Ms線まで到達できるかを見る。この4点から始めれば十分です。
まとめ
第24回では、CCT・TTT線図とは?を整理しました。表面処理は名称だけで選ばず、硬化メカニズム・材質・硬化層深さ・変形・要求性能をセットで考えます。具体条件は図面・材質規格・熱処理仕様・作業標準を優先してください。
参考
- ASM International「Steels: Processing, Structure, and Performance」
- Bodycote「Case hardening」
- Bodycote「Induction hardening」
金属熱処理 初心者講座

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