セメンタイトは、鉄と炭素からなる炭化物Fe3Cです。非常に硬く脆い性質を持ち、鋼の組織と機械的性質を理解するうえで重要です。
まず結論
セメンタイトは化学式Fe3Cで表される鉄炭化物です。単独では硬く脆く、パーライトや球状化組織などの中でフェライトと組み合わさることで鋼の性質に影響します。
パーライトの中にもある
パーライトはフェライトとセメンタイトが交互に並ぶ組織です。そのため『パーライト=セメンタイト』ではなく、2つの相が組み合わさった組織と理解します。
形で加工性が変わる
同じセメンタイトでも層状、粒状、網目状など形態や分布で性質が変わります。球状化焼なましではセメンタイトを球状化し、特に高炭素鋼などの切削性・成形性改善を狙います。
炭素との関係
鋼中の炭素はフェライトやオーステナイトに固溶するだけでなく、条件によってセメンタイトなどの炭化物として存在します。炭素量・温度・冷却履歴で状態が変わります。
熱処理との関係
焼入れ前のオーステナイト化では、目的に応じて炭化物の溶解状態を調整します。焼戻しではマルテンサイトから炭化物が析出し、硬さ・靭性が変化します。
注意点
『セメンタイトが多いほど必ず良い』わけではありません。必要な耐摩耗性、靭性、加工性などに応じて、量・形・分布を熱処理で調整します。
まとめ
第18回の要点は、用語だけを暗記せず、温度・炭素量・時間・冷却速度と組織の関係で考えることです。実際の熱処理条件は鋼種・寸法・前組織・設備・仕様で変わるため、材質規格と作業標準を優先してください。
参考
金属熱処理 初心者講座

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