浸炭焼入れは、主に低炭素鋼の表面へ炭素を拡散させ、その後に焼入れして表面を高硬度化する代表的な表面硬化処理です。
まず結論
浸炭で表面の炭素濃度を高め、焼入れでその高炭素部をマルテンサイト化します。心部は表面ほど炭素が増えないため、硬い表面と比較的靭性のある心部を両立しやすい処理です。
工程の流れ
①炭素を供給できる雰囲気で加熱、②炭素を表面から内部へ拡散、③必要に応じて拡散・温度調整、④焼入れ、⑤焼戻し、という流れで考えます。具体条件は鋼種・要求硬化層・設備で変わります。
なぜ低炭素鋼を使う?
心部の炭素量を抑えることで、焼入れ後も心部を表面ほど高硬度にせず、靭性を確保しやすくします。歯車、シャフトなどで広く用いられます。
浸炭深さと硬化層深さは同じではない
炭素が拡散した深さと、焼入れ後に規定硬さを満たす有効硬化層深さは同義ではありません。焼入性や冷却条件、炭素濃度分布も関係します。
注意点
高温保持と焼入れを伴うため、変形、粒度、残留オーステナイト、表面炭素濃度、硬化層深さなどを管理します。過剰浸炭や不適切な焼入れは品質問題につながります。
関連する既存記事
UG BASEには「浸炭とは?仕組み・目的・メリット」もあります。ここでは初心者講座として『浸炭+焼入れ』の流れに絞って整理しています。
まとめ
第26回では、浸炭焼入れとは?を整理しました。表面処理は名称だけで選ばず、硬化メカニズム・材質・硬化層深さ・変形・要求性能をセットで考えます。具体条件は図面・材質規格・熱処理仕様・作業標準を優先してください。
参考
- ASM International「Steels: Processing, Structure, and Performance」
- Bodycote「Case hardening」
- Bodycote「Induction hardening」
金属熱処理 初心者講座

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