第7章|7-3 Rzとは?

Rzは、表面粗さを表す代表的な高さパラメータです。ISO 21920-2:2021では、評価長さを区間長に分け、各区間で求めた最大高さを平均してRzを求めます。

Raが表面の凹凸を平均的に見るのに対し、Rzは大きな山や深い谷の影響を受けやすいのが特徴です。

Ra=平均的な粗さを見る
Rz=大きな山と谷を見る

30秒でわかるRz

  • Rz=粗さ曲線の山と谷の高さ方向を評価する代表的なパラメータ
  • ISO 21920-2:2021では、区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均して求める
  • Raよりも局所的な大きな凹凸の影響を受けやすい
  • RaとRzは換算係数で正確に置き換えられない
  • 旧JISでは「Rz」が十点平均粗さを意味した時期があるため、図面の規格年を確認する

Rzは何を表している?

表面の粗さ曲線には、小さな山と谷が連続しています。

ISO 21920-2:2021では、各区間長の中で山と谷の高さ方向から最大高さを求め、その区間値を評価長さ内で平均してRzを算出します。

ISO 21920-2:2021のRz = 区間長ごとの最大高さを平均した値

そのため、一部に深い傷や突出した山があると、RaよりRzの方が変化を捉えやすい場合があります。

RaとRzの違い

RaRz
考え方評価長さ内の凹凸を平均的に評価区間長ごとの最大高さを平均して評価
局所的な傷平均化されやすい影響を受けやすい
用途のイメージ表面全体の平均的な粗さを見る大きな山・深い谷も反映しやすい

例えば、全体として滑らかな面に1本だけ深い傷がある場合、Raは大きく変化しない一方でRzには影響が出やすくなります。

RaとRzは単純換算できる?

Ra×○倍=Rzのような目安が使われることがありますが、正確な換算式ではありません。

同じRaでも、表面の山・谷の形や周期が違えばRzは変わります。検査では、図面にRaが指定されているならRa、Rzが指定されているならRzを、その指定条件で評価します。

ここが重要|旧JISのRzと混同しない

Rzで特に注意したいのが、新旧規格で同じ記号が別の意味に使われた時期があることです。

ミツトヨの技術資料では、JIS B 0601:1982・1994では「Rz」が十点平均粗さを表していましたが、2001年規格以降は「Rz」が最大高さを表し、十点平均粗さは「RzJIS」として区別されています。

規格世代Rzの意味・扱い
旧JIS 1982・1994十点平均粗さ
JIS B 0601:2001〜2013/ISO 4287系基準長さにおける粗さ曲線の最大高さ
ISO 21920-2:2021区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均する区間長パラメータ

古い図面で「Rz」と書いてある場合は、現在のRzと同じ意味だと決めつけないことが重要です。

新旧規格で測定値の差が無視できない場合もあるため、図面がどの規格・年版を前提にしているかを確認します。

現在の国際規格は?

2026年9月時点で、プロファイル方式による表面性状の用語・定義・パラメータを規定する現行公開規格はISO 21920-2:2021です。ISO 4287系から計算体系が見直されているため、既存図面では参照規格を確認してからRzを解釈します。

ISOでは現在、第2版となるISO/CD 21920-2が改訂作業中ですが、これはまだ委員会原案段階です。実務では、使用する図面・契約仕様・社内標準が参照する規格を優先します。

Rzはどう測る?

一般には触針式の表面粗さ測定機などを使い、指定された条件で表面プロファイルを取得してRzを算出します。

  1. 図面の表面性状記号とパラメータを確認する
  2. 適用規格と評価条件を確認する
  3. 測定面を清掃する
  4. 加工目を考慮して測定方向を決める
  5. 規格に合ったフィルタ・区間長・区間数・評価長さなどを設定する
  6. 表面を測定する
  7. Rzを図面要求と比較して判定する

測定方向や評価条件が変わると結果も変わる可能性があるため、数値だけでなく測定条件まで含めて管理することが重要です。

現場ではこう考える

シール面や摺動面などでは、局所的な深い谷や大きな山が機能へ影響する場合があります。このようなとき、平均的なRaだけでなくRzを見ることで、表面の別の特徴を確認できます。

ただし、Rzだけですべての表面性状を説明できるわけではありません。部品の機能に応じて、Ra、Rz、うねり、加工目方向などを組み合わせて考えます。

よくある間違い

  • Rzを現在でも「十点平均粗さ」と一律に覚える
  • 古い図面のRzを現行の最大高さと決めつける
  • RaからRzを固定倍率で換算して合否判定する
  • 測定方向や評価条件を確認しない
  • Rzが小さければ、あらゆる用途で良い表面だと考える

🎓 技能検定につながるポイント

  • Raは平均的な高さ、Rzは山・谷の高さ方向をより強く反映すること
  • ISO 21920-2:2021ではRzが区間長パラメータであること
  • 旧JISでRzが十点平均粗さだった時期を区別すること
  • ISO 4287系とISO 21920系でRzの計算体系が異なること
  • 図面では規格年・注記・評価条件まで確認すること

ミニ問題

Q. 古い図面に「Rz 6.3」と書かれていました。現在のRz=最大高さとしてそのまま判定してよい?

答え:規格を確認する必要があります。
旧JISではRzが十点平均粗さを意味した時期があるため、図面が参照する規格・年版を確認してから判断します。

まとめ

  • Rzは表面の山と谷の高さ方向を評価する代表的な粗さパラメータ
  • ISO 21920-2:2021では区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均する
  • Raより局所的な大きな凹凸の影響を受けやすい
  • RaとRzは固定倍率で正確に換算できない
  • 旧JISではRzが十点平均粗さを意味したため、新旧規格を必ず確認する

参考


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