Rzは、表面粗さを表す代表的な高さパラメータです。ISO 21920-2:2021では、評価長さを区間長に分け、各区間で求めた最大高さを平均してRzを求めます。
Raが表面の凹凸を平均的に見るのに対し、Rzは大きな山や深い谷の影響を受けやすいのが特徴です。
Ra=平均的な粗さを見る
Rz=大きな山と谷を見る
30秒でわかるRz
- Rz=粗さ曲線の山と谷の高さ方向を評価する代表的なパラメータ
- ISO 21920-2:2021では、区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均して求める
- Raよりも局所的な大きな凹凸の影響を受けやすい
- RaとRzは換算係数で正確に置き換えられない
- 旧JISでは「Rz」が十点平均粗さを意味した時期があるため、図面の規格年を確認する
Rzは何を表している?
表面の粗さ曲線には、小さな山と谷が連続しています。
ISO 21920-2:2021では、各区間長の中で山と谷の高さ方向から最大高さを求め、その区間値を評価長さ内で平均してRzを算出します。
ISO 21920-2:2021のRz = 区間長ごとの最大高さを平均した値
そのため、一部に深い傷や突出した山があると、RaよりRzの方が変化を捉えやすい場合があります。
RaとRzの違い
| Ra | Rz | |
|---|---|---|
| 考え方 | 評価長さ内の凹凸を平均的に評価 | 区間長ごとの最大高さを平均して評価 |
| 局所的な傷 | 平均化されやすい | 影響を受けやすい |
| 用途のイメージ | 表面全体の平均的な粗さを見る | 大きな山・深い谷も反映しやすい |
例えば、全体として滑らかな面に1本だけ深い傷がある場合、Raは大きく変化しない一方でRzには影響が出やすくなります。
RaとRzは単純換算できる?
Ra×○倍=Rzのような目安が使われることがありますが、正確な換算式ではありません。
同じRaでも、表面の山・谷の形や周期が違えばRzは変わります。検査では、図面にRaが指定されているならRa、Rzが指定されているならRzを、その指定条件で評価します。
ここが重要|旧JISのRzと混同しない
Rzで特に注意したいのが、新旧規格で同じ記号が別の意味に使われた時期があることです。
ミツトヨの技術資料では、JIS B 0601:1982・1994では「Rz」が十点平均粗さを表していましたが、2001年規格以降は「Rz」が最大高さを表し、十点平均粗さは「RzJIS」として区別されています。
| 規格世代 | Rzの意味・扱い |
|---|---|
| 旧JIS 1982・1994 | 十点平均粗さ |
| JIS B 0601:2001〜2013/ISO 4287系 | 基準長さにおける粗さ曲線の最大高さ |
| ISO 21920-2:2021 | 区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均する区間長パラメータ |
古い図面で「Rz」と書いてある場合は、現在のRzと同じ意味だと決めつけないことが重要です。
新旧規格で測定値の差が無視できない場合もあるため、図面がどの規格・年版を前提にしているかを確認します。
現在の国際規格は?
2026年9月時点で、プロファイル方式による表面性状の用語・定義・パラメータを規定する現行公開規格はISO 21920-2:2021です。ISO 4287系から計算体系が見直されているため、既存図面では参照規格を確認してからRzを解釈します。
ISOでは現在、第2版となるISO/CD 21920-2が改訂作業中ですが、これはまだ委員会原案段階です。実務では、使用する図面・契約仕様・社内標準が参照する規格を優先します。
Rzはどう測る?
一般には触針式の表面粗さ測定機などを使い、指定された条件で表面プロファイルを取得してRzを算出します。
- 図面の表面性状記号とパラメータを確認する
- 適用規格と評価条件を確認する
- 測定面を清掃する
- 加工目を考慮して測定方向を決める
- 規格に合ったフィルタ・区間長・区間数・評価長さなどを設定する
- 表面を測定する
- Rzを図面要求と比較して判定する
測定方向や評価条件が変わると結果も変わる可能性があるため、数値だけでなく測定条件まで含めて管理することが重要です。
現場ではこう考える
シール面や摺動面などでは、局所的な深い谷や大きな山が機能へ影響する場合があります。このようなとき、平均的なRaだけでなくRzを見ることで、表面の別の特徴を確認できます。
ただし、Rzだけですべての表面性状を説明できるわけではありません。部品の機能に応じて、Ra、Rz、うねり、加工目方向などを組み合わせて考えます。
よくある間違い
- Rzを現在でも「十点平均粗さ」と一律に覚える
- 古い図面のRzを現行の最大高さと決めつける
- RaからRzを固定倍率で換算して合否判定する
- 測定方向や評価条件を確認しない
- Rzが小さければ、あらゆる用途で良い表面だと考える
🎓 技能検定につながるポイント
- Raは平均的な高さ、Rzは山・谷の高さ方向をより強く反映すること
- ISO 21920-2:2021ではRzが区間長パラメータであること
- 旧JISでRzが十点平均粗さだった時期を区別すること
- ISO 4287系とISO 21920系でRzの計算体系が異なること
- 図面では規格年・注記・評価条件まで確認すること
ミニ問題
Q. 古い図面に「Rz 6.3」と書かれていました。現在のRz=最大高さとしてそのまま判定してよい?
答え:規格を確認する必要があります。
旧JISではRzが十点平均粗さを意味した時期があるため、図面が参照する規格・年版を確認してから判断します。
まとめ
- Rzは表面の山と谷の高さ方向を評価する代表的な粗さパラメータ
- ISO 21920-2:2021では区間長ごとの最大高さを評価長さ内で平均する
- Raより局所的な大きな凹凸の影響を受けやすい
- RaとRzは固定倍率で正確に換算できない
- 旧JISではRzが十点平均粗さを意味したため、新旧規格を必ず確認する
参考
- ISO 21920-2:2021|Surface texture: Profile — Terms, definitions and surface texture parameters
- ミツトヨ「表面粗さの基礎知識」
- ミツトヨ「表面粗さに関するJIS規格について」
機械検査の教科書

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