窒化処理は、鋼の表面へ窒素を拡散させ、窒化物や窒素固溶によって硬い表面層を形成する熱化学処理です。
まず結論
一般的な窒化はAc1より低い温度域で行うため、浸炭焼入れのようなオーステナイト化→焼入れを通常は必要としません。そのため焼入れ変形を抑えやすいのが特徴です。
どうやって硬くなる?
表面から窒素が拡散し、合金元素と硬い窒化物を形成したり、窒素が固溶したりして硬化します。窒化に適したCr、Mo、V、Alなどを含む鋼では高い効果を得やすくなります。
層の構造
条件により表面に化合物層(白層)と、その下に拡散層が形成されます。必要性能によって化合物層の有無・厚さや拡散層深さを管理します。
メリット
高い表面硬さ、耐摩耗性、耐焼付き性、疲労強度向上などを狙え、比較的低温処理のため寸法変化を抑えやすい特徴があります。
浸炭との違い
浸炭焼入れは炭素を拡散した後に焼入れでマルテンサイト硬化させます。窒化は窒素拡散と窒化物形成が硬化の中心で、通常は後焼入れを必要としません。
注意点
窒化前の母材硬さや調質状態、表面状態、窒化性合金元素、化合物層、後加工量などを処理仕様と合わせて管理します。
まとめ
第28回では、窒化処理とは?を整理しました。表面処理は名称だけで選ばず、硬化メカニズム・材質・硬化層深さ・変形・要求性能をセットで考えます。具体条件は図面・材質規格・熱処理仕様・作業標準を優先してください。
参考
- ASM International「Steels: Processing, Structure, and Performance」
- Bodycote「Case hardening」
- Bodycote「Induction hardening」
金属熱処理 初心者講座

コメントを残す