焼入れでは、水・油・空気など何で冷やすかによって冷却の厳しさが変わり、硬化のしやすさだけでなく変形・割れのリスクも変わります。
まず結論
一般的な傾向として水は冷却が厳しく、油は水より穏やか、空気はさらに穏やかです。ただし実際の冷却速度は媒体温度、攪拌、部品寸法・形状、表面状態などで大きく変わります。
水冷|速いが応力も大きくなりやすい
高い冷却能力を得やすい一方、表面と内部の温度差が大きくなり、変形や焼割れのリスクが高まりやすい特徴があります。鋼種・形状によっては必要な方法ですが、何でも水冷すればよいわけではありません。
油冷|冷却と割れリスクのバランス
水より一般に穏やかな冷却となり、焼割れや変形を抑えながら必要な硬化を狙う場合に広く使われます。油温、劣化、攪拌、引火・火災対策などの管理も重要です。
空冷|穏やかな冷却
焼ならしや、焼入性の高い一部の鋼では空冷でも必要な変態が得られる場合があります。大型品や合金鋼などでは、空冷でも中心との冷却差が生じる点に注意します。
冷却媒体は鋼種と形状で選ぶ
必要な硬化深さ、鋼の焼入性、部品の肉厚差、許容変形、割れ感受性などを総合して決めます。冷却媒体の『強さランキング』だけで工程を決めるのは危険です。
現場で管理する項目
媒体の温度、攪拌、濃度や劣化、装入量、冷却時間、取り出しタイミング、安全管理などが再現性に関わります。
まとめ
第13回では、水・油・空気で冷やすと何が違う?を理解しました。熱処理の結果は鋼種・寸法・前組織・加熱条件・冷却条件などで変わるため、実務では図面・材質規格・熱処理仕様・作業標準を優先してください。
参考
金属熱処理 初心者講座

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